結果発表(EQBC2020)

第3回 E QUALITY OF BEAUTY CONTEST 2020 (EQBC2020)の審査が終了いたしました。本年度も多方面の皆様方からのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、入賞作品が決定いたしましたので審査結果をここに発表いたします。

また、ページの下部に今回の受賞と落選のポイントについて動画をご用意いたしましたので、ぜひご覧下さい。


コンテストの共通テーマ

  1. 金属アレルギーでも気にせずお洒落ができる
  2. 金属アレルギーに対応した新しい技術・サービス
  3. 制約的要素であるテーマに対し、どのような着眼点を見出し実現させるか
  4. 【コンセプト部門】金属アレルギーで困る人をゼロに!世の中を良くするためのプラン・企画

造形・作品部門

造形・作品部門とは・・・

コンセプト(仕様)シートと共に実作品を提出していただき、金属アレルギーへの多角的な配慮・デザイン性と共に、ストーリー性や商品価値などが審査対象となります。

ただたんに、「素材置き換え」のみの作品やアイデアの受賞は難しい
ストーリー性が求められる
世の中に「欲しい」と思わさせるものか
芸術性、美術的にすぐれているか

グランプリ

テーマ「女性の憧れピンクゴールドの2WAYZIPコサージュネックレス」

鈴木 里砂(スズキ リサ)

Romance in Zip

【デザインコンセプト】

金属アレルギーでも憧れの「ピンクゴールド」のアクセサリーを着けられるということを実現したZIPARTです。使用したファスナーは「メタリオン」という樹脂ファスナーであり、それでありながらピンクゴールドの質感と色合いを醸し出しています。トップモチーフのコサージュも同じメタリオンで作成し、取り外して単品でコサージュとしても使用できるようになっているところが魅力です。大粒スワロフスキーが更に作品に輝きと高級感を与えており、このZIPART一つでいろんなファッションを楽しめおしゃれに、そして自分に自信が持てるアクセサリーとなっております。パーティにも使える華やかな2WAYZIPコサージュネックレスです。

eqbc2020グランプリ

【岩田審査員長による講評】

ファスナーという機能を造形的要素として表現されデザイン的に今後の展開に期待を持てる提案であります。使用素材の経年劣化、耐久性など不安を残さないために、さらなるリサーチ、調査、デザインの提案が必要であると思われる。

【丸山審査員による講評】
ファスナーという極めて日常的な素材に着眼したことは大変素晴らしい。もはや服でもバッグでも開閉される構造には必要不可欠なパーツがファスナーである。開閉されるこちら側と向こう側、内側と外側、安全と危険など対比する意味の境界をファスナーは常にイメージさせることが可能である。また右と左を融合させてひとつにすると言う融和のメタファーでもある。コンセプチュアルな作品のモチーフとしては非常に奥の深い存在である。作品としてはファスナーの造形を徹底的に追究した構造であったらより高い完成度になったのではないだろうか。スワロフスキーガラスがデザイン上不可欠であったのかはやや疑問である。

本年度の造形・作品部門の準グランプリはありません

コンセプト部門

コンセプト部門とは・・・

テーマ:金属アレルギーで困る人をゼロに!世の中を良くするためのプラン・企画

アイデアや素材などを駆使し、金属アレルギーという社会課題にどうアプローチしていくかを、自分なりに調査し、プランを考え、書面にて競う部門です。プラン内容は「現時点で実現可能である」ことが条件です。

グランプリ

eqbc2020グランプリ

テーマ「魅せるパッチテスト KINPATCH」

チーム:KINPATCH

メンバー:須賀健斗、鼎由起子、前田紗希(3名)

※トリプル授賞となります

コンセプト部門グランプリ、Nyummy賞、金属アレルギー協会賞

【プラン概要】

金属アレルギー対策にネガティブなイメージがあり、身近に自分の身体について知ることがないことが課題であると私たちは定義しました。同課題に対し、「ファッション感覚で身につけたくなるパッチテスト」というコンセプトの下、「KINPATCH」というシール型のパッチテストアクセサリーを提案します。

このシール型アクセサリーは、パッチテストのように肌に触れる部分に小さい金属が付いています。

金属アレルギーは、「オシャレは我慢である」という認識が間違った方向に作用してしまい、起こっている社会問題であると私たちは捉えています。赤みやかゆみといった症状として現れるからだの声を無視してでも、オシャレを優先してしまう。「自分のからだを知ること≠オシャレ」この歪んだ構造が、この社会問題の本質であると捉えました。

実際に金属アレルギー専門店が調査したデータによると、症状が出ていても毎日アクセサリーを装着する女性が20〜50代で4割。しかしながら、金属アレルギーだと自覚している女性は2割と、症状が出ていても自分は金属アレルギーでないと思い込んでいます。また、対応アクセサリーの装着経験がある女性は、有症状者と自覚者合わせた中で2割と、対策も浸透していません。

私たちのチームでは認識の薄さや対策が浸透しない理由を、1.症状が出るものの、自分が金属アレルギーであると無自覚であるために、アクセサリーを装着し続けてしまい、治療することができないこと、2.金属アレルギー対策にネガティブなイメージがあること、と分析しました。

そこで、「ファッション感覚で身につけたくなるパッチテスト」というコンセプトを掲げ、ターゲットであるオシャレを楽しみたい女性が、自分の身体について知ることがよりポジティブにできるような社会を目指します。

このようなコンセプトを提案するに至った背景としては、チーム全員が金属アレルギーで悩んだ経験を持ち、かつデザイナーやプランナーといった企画を専門とする仕事をしていく中で、何か社会に対して貢献できないだろうかと考えたからです。

このコンテストを通じ、コンセプトやアイデアに磨きを掛け、また審査員の方々からフィードバックをもらうことで、社会実装に向けて進んでいきたいと思っております。

【黒沢審査員による講評】

金属アレルギーのパッチテストをそのままジュエリーのように見せる視点は面白いと思います。デザイン的にもおしゃれな感じできんぞく刺青にようですね。しかし医療機関との関連が無いことアレルギーがでたら自己判断での対応等危険な部分が感じらます。もし使用用途を知らないでこの商品を使ってアレルギー症状がひどくなった場合PL法に触れる可能性も考えらえれます。医療機関、等の指導の元に開発されてはいかがでしょうか?

【内田審査員による講評】

着眼点が面白いですね。パッチテストを楽しんでしまう。そういう発想に魅せられます。いろいろな金属を箔にしてつけて、自分の体を確かめる。サンプルも良くできていると思いました。金属アレルギー対策を直球とすると、このコンセプトは変化球ですが、充分楽しいアイデアと思いました。

準グランプリ

テーマ「セラミックジュエリー「and」」

山脇美術専門学校  ジュエリーデザイン科

大場 菜摘(オオバ ナツミ)

【プラン概要】

金属アレルギーを持つ全ての方に安心してジュエリーを楽しんでもらう為に素材にセラミックと糸を選びました。輝く石と面の美しさ、着け心地の良さと手に馴染む感覚を重要視し、いかに異素材を用いてこの魅力を伝えられるかと考えた結果セラミックを主な素材として用いています。

私は、金属アレルギーを持つ方にも安心してジュエリーを楽しんでもらいたいと思い、セラミックと糸と宝石を使用したリングを考案しました。

偏に金属アレルギーと言っても、素材によっては発症がない方や、金属に少し触れただけでも症状が出てしまう方もいます。私の家族も金属アレルギーがあり、比較的軽度な症状の場合でも汗と反応して肌が赤くかぶれ、荒れてしまう様子を実際に見た事があります。重症な方では、日常生活の僅かな金属にも反応し症状が出てしまうような、私の想像していた以上に危険と隣り合わせの生活を送られている方もいます。その為、使用する素材として金属を一切使用していない安全な素材を用いることで症状の度合いに関係なく、金属アレルギーを持つ方が安心して身につける事が可能になると考えました。安心していただくことが気持ちにゆとりを持たせ、少しでも気軽にジュエリーを楽しむことができるようになるのではないでしょうか。

アレルギー症状の不安からジュエリーを身につける事に抵抗があった方にも、この作品を通してジュエリーを楽しむ前向きな気持ちを見つけてもらいたいです。金属アレルギーに悩まれる方がジュエリーを楽しめる1つの選択肢として、このリングを提案させて頂きます。

【林審査員による講評】

セラミックと糸と石を組み合わせて金属アレルギーに対処するというアプローチですね。金属を他の素材に置き換えてアレルギーに対応しようとするので、もう少し置き換える素材の特徴に目を向けられるとさらによくなったと思います。 

【岩田審査委員著による講評】

アクセサリーの形体を失わず、ノンアレルギー素材である生産性、耐久性のあるセラミックに着目し、造形的にも様々な可能性を感じさせる提案となっています。生産性、耐久性のある糸によってセッティングする発想も信用性のある素材、手法であれば、消費者、生産者の立場の関係性から様々なコミュニケーションも発生し市場の発展性も期待できるといえます。最終的には様々な造形的なバリエーションの展開、提示が重要になるかと思いますのでデザインのテーマをいかに示すかが大切になるかと思います。

その他の賞

「造形・作品」、「コンセプト」部門に共通した中から、協賛企業担当者や、金属アレルギー協会理事からの評価が高かった作品やアイデアにそれぞれ贈られる賞です。

New Normal賞

eqbc2020newnormal

テーマ「「curlS」日常の金属から身を守るためのブランド提案」

NEC

濵野 青空 (ハマノ アオゾラ)

【プラン概要】

製品:身を守るための新しいアクセサリー。金属に触れる際、巻かれた部分をクルクルと伸ばすことで金属に触れることなく動作を行う事ができる。また、製品の伸ばし切った先には樹脂の芯材が入っており簡単に元の位置に巻く事ができる。指先を常に露出させない様にするのではなく、必要に応じて露出を防ぐ事ができるデザインにした。これにより通常時の肌の露出部分が多くなり、ポップで可愛らしいアクセサリーとして成立した。

ブランド:上記の「製品」を用いたブランドを提案する。
金属アレルギーを持つ方だけでなく、アレルギーを持たない方にも使用して頂ける様な「今までにないアクセサリー」として広告する。製品を手に取ってもらい、ブランド理念や存在理由を知ってもらう事で理解を広める。これから到来するであろう「withコロナ 時代」にも活用できると考えた。

eqbc2020newnormal

【黒沢審査員による講評】

金属から身を守るものがそのままアクセサリーという考え方が良い。また、コロナ禍の予防にも対応できることも市場化の要素が高いと評価します。デザイン性も含めアレルギー罹患者以外方にも需要が見込まれる。素材、価格等の明記がないのが残念でした。

中島皮フ科・AIM beauty medical clinic賞 (アイムビューティーメディカルクリニック)

一般・美容皮膚科、医療脱毛クリニックの視点から

aimbeautyclinic賞

テーマ「受け継がれる月のしずく」

山脇美術専門学校 ジュエリーデザイン科

島村 沙里奈 (シマムラ サリナ)

【プラン概要】

日々金属を使ったジュエリーを作っている私が金属から離れたジュエリーを考える際に、一番ぶつかった壁は貴金属の絶対的な価値です。重厚感、光沢、キラメキ、パワー。
金属アレルギーの方はより一層感じているのかも知れません。金属アレルギー罹患者の立場になり、どんなものを求めるか考えた際、金属アレルギーの人のみに向けた優しいジュエリーではなく、金属アレルギーでない人も欲しいと思うようなジュエリーだと結論付けました。貴金属の代替品としてのファッションアクセサリーではなく、貴金属に劣らないパワーを感じるジュエリーです。安全である事は勿論、金属と同じ、またはそれ以上の価値のあるジュエリーを提案致します。

今回私が提案するのは、世界で初めて真珠の養殖に成功した日本の高い技術を生かして作るパールリングです。一般的な球形の養殖パールは、核入れという作業で養殖貝の生殖巣に、外套膜のピースと、アメリカ ミシシッピ川に生息しているイシガイ科の二枚貝を真円形に削った核を入れます。しかし、シガイ科の二枚貝で弧形の核を作り、核入れの際に外套膜のピースと一緒に入れる。貴金属を使用せず、パールそのものがリングになっているのでアレルギー反応が出る心配もありません。貝が作り上げるこのリングは一周バロックパーツになるので、1つ1つ形が異なり、どれも世界に一つだけのリングです。より、愛着を持って何年も大切にされると考えます。
アコヤ真珠の最大直径は11mm、南洋真珠は16mmとリング一周で制作するのは難しいと思いますが、弧形に何パーツかに分けて作り組み合わせることで可能になると思います。また、1つのジュエリーで複数の貴金属を使用したり、数種類の宝石を用いたりするように、パーツごとにパールの種類や色味を変えたリングを制作しても楽しめると思います。パールは汗や手垢に弱くデリケートではありますが、正しく手入れをしていけば何世紀も光沢を保ちます。愛を持って扱って頂きたいです。

担当者からのコメント

パールのリングは一般的だが、貴金属を使用せずパールそのものがリングになっているものは見たことがない。『自然が作り上げる世界に1つだけのリング』、というところに面白みを感じ、是非この目で見てみたいと思ったため。重度の金属アレルギーの方であっても、代々受け継がれるジュエリーを身につけることのできる喜びを感じて欲しいという、エントリー者の意図に共感できた。

Nyummy賞 (ニャミー)

愛猫の健康と幸せを考え抜いて作られた「純国産ペットフード」メーカー猫株式会社。また、社長自ら起業家育成も行っています。「ものづくり&起業家スピリット」の観点

テーマ「魅せるパッチテスト KINPATCH」

チーム:KINPATCH

メンバー:須賀健斗、鼎由起子、前田紗希(3名)

 

猫株式会社 小林社長の講評

顧客、使用方法、使用シーンがわかりやすく、現実味のある作品だと思います。特に誰でも気軽に使うことができ、使用上のリスクの心配なども少ないと思うので、金属アレルギーで悩む人たちのために是非とも実用化に向けて頑張ってください。
ビジネス的な観点で見ると、もう一工夫特徴が欲しいのと、競合対策をしっかりと考えることが大切だと思います。

金属アレルギー協会賞

テーマ「魅せるパッチテスト KINPATCH」

チーム:KINPATCH

メンバー:須賀健斗、鼎由起子、前田紗希(3名)

【丸山審査員からの講評】

とても良い提案である。パッチテストは医療機関に行かないと出来ないという常識を覆す消費者の権利の開放だと感じた。デザイン的にもスタイリッシュさと手軽さが共存した現実性のあるパッケージになっている。出来る事であれば金やプラチナなど、より数多くの元素でテスト可能だとユーザーの希望に添えられると考える。パッチテスト自体が医療的な行為と考えられるので医療従事者の専門的な知見からのバックアップも重要であろう。

受賞・落選のポイント動画

授賞式のご案内

第3回 EQBC2020 授賞式については、「みんなのアレルギーexpo2020」展示会イベントにて、以下の日程で開催・オンライン中継を行います。

  • 日時:2020年10月13日(火曜日)12:00~12:45
  • 会場:新宿 京王プラザホテル「花の間」
  • 式の開催形態:「花の間」での実開催、及びオンライン中継
受賞されました皆様、審査員の先生、協賛企業様、関係者の方のご来場をお待ちしております。
※会場内への入場は無料です
 

【ご案内】新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、イベント開催の可否を検討せざるを得ない場合が考えられます。中止の場合には、当WEBサイトやSNS等で発表するとともに、参加予定者にはEQBC2020運営事務局より直接ご連絡を差し上げます。

みんなのアレルギーexpo
授賞式はこちらのイベント内で行います

昨年度の授賞式の様子